ストックイラストクリエイターのみなさんこんにちは。
第一回のお話では、イラストレーターの超基本的な機能を作ってベクターのイラストデータを作成してみました。
ベクターイラストのつくり方 STEP:1 〜超初級者編〜は こちら
今回は「超初心者編」のSTEP:2ということで、ペンツールを利用したベクターデータの作り方を紹介いたします。
もちろんすでにマスターされている方もいらっしゃるかと思いますが、ストック素材特有の面倒事もクリアできるように説明させていただきますので、是非ご一読くださいませ。

パス取りのお話

作業を始める前に
よく使う用語について
ペンツール |
アンカーポイントを連続で配置し、ある程度自由に「パス」を作成できるツール。 |
ベジェ曲線 |
簡単に言うと、「点と点を結ぶなめらかな曲線」のことです。 厳密にどういったものか説明すると数学的な話になってしまうので…実際に使って慣れていくのが一番です。 |
セグメント | パスにおいて、アンカーポイントとアンカーポイントの間の部分 |
オープンパス | 始まりの点と終わりの点が異なったパス。 |
クローズパス | 一つの点から始まり、そこで終わる閉じられたパス。 |
複合パス | 例えば「中抜きしたパスを作りたいな−」というときなどに使うパス。「外側の形」と「内側の形」をそれぞれ作成し、両方を選択した状態で右クリック→複合パスを作成で作成できます。 |
グラデーション |
始まりの色と終わりの色、及び透明度を指定することで思い通りのグラデーションを作成できます。2色だけでなく、複数の色を指定できます。 グラデーションをパスの「塗り」や「線」部分に指定することも可能です。 |
パターン |
例えば「この部分、水玉柄にしたいな−」というときなどに便利。もちろんコツコツ楕円ツールなどで作成することもできますが、手間などを考えると絶対にパターンを使ったほうがいいです。また、テクスチャなどを表現したいときにもつかえますよ。 |

実際にペンツールを使ってアンカーポイントをうっていきましょう。
ここでパスをとっていくときのポイントを幾つか紹介します。

アンカーポイントは極力少なく
アンカーポイントをいっぱいうってしまうと、手間がかかるだけでなく、後々の調整も面倒になってしまいます。
必要最低限にするようにしましょう。
アンカーポイントは下記にうつようにするといいですよ。
- 角、尖っているところ
- 山の頂点 ※ひとつの曲線の中で複数の山があるときは、それぞれの山の頂点
- 直線から曲線への切り替わり地点

ハンドル同士が交差しないようにする
ハンドルを伸ばしすぎていると思ったような曲線をつくることができません。一番大きくてもハンドルの先同士が重なる場所までにしましょう。

尖っているところからかきはじめる
かきはじめる地点は実はどこでも良いのですが…尖っているところから始めたほうが後々ハンドルの調整が楽なことが多いです。
絶対にアンカーポイントを打つ場所でもありますので、オススメスタート地点は「角」です。
一番初めだけ、パスの設定を「線のみ」に
下書きが見えなくなってしまうので、本来は不透明度を下げたいのです。ただ最後に戻す透明度については、レイヤー一括で操作したほうが漏れがなくなるのです。
なので最初だけ線のみパスでかき、作ったものを塗り&線のパスにした後、レイヤー自体の透明度を下げましょう。

実際に作業してみるお話
それではペンツールを使って作業していきましょう。
まずは簡単そうな「I」からやっていきましょう。
ペンツールを選択して、パスの設定を線のみに、
四隅をポチポチ一周すれば出来上がりです。最後にちゃんと「スタート地点のアンカーポイント」まで戻ってきてくださいね。
ここをちゃんとしておかないと「クローズパス」でなく、「オープンパス」になってしまいます。
※PIXTAでは、塗りのオープンパスは開くソフトやバージョンによって上手く再現されない可能性などを考慮し、塗りのオープンパスがあるEPSデータは取り扱っておりません。
ひとつ作ったら、対象のパスを選んで、設定を塗り&線に。
その後レイヤー自体の透明度を50%くらいまで下げてしまいましょう。
ちなみに小ネタですが、作成し終わったパスを「線の設定」パネルで見てみると、線の位置を「外側」「中央」「内側」に設定できるようになっていることがあります。
これは実は「クローズパス」のときしか設定できないので、作成したパスがちゃんと閉じているかどうか確認するときには便利だったりしますよ。
アンカーポイントをうつときに、そのままマウスから指を離さずにドラッグすると、
ハンドルが2つ出てきます。
ハンドルはアンカーポイントを打ったときでも操作できます。
ですが慣れるまでは、一旦一通り大まかなパスを作ったあとに修正、がおすすめです。
ハンドルをパスから遠ざけると、急な曲線になり、近づけるとなだらかな曲線になります。
ちなみに作業方法は人によって異なりますが、全てのアンカーポイントを打つ際、
長押し&次の進行方向に少しドラッグしてハンドルを出しておくという方法もあります。
あとでハンドルを出すよりも、予め出しておいてあとで消したほうが作業が早いことが多いですよ。
「P」は左上あたりから初めて、山の頂点とコーナーのみにアンカーポイントをうちました。
一旦出来たのですが、、、ちょっとミスってしまったので「ダイレクト選択ツール」でアンカーポイントとハンドルを選択して調整。
間違って作ってしまったハンドルを消したい時には「ハンドルをアンカーポイントまで移動」すると片方のハンドルだけ消せます。
逆に間違って消してしまったときには「アンカーポイントの切り替えツール」を使用しましょう。
また、ハンドルは2つ同時に動いてしまいますので、片方だけを移動したい時にはOption(windowsはAlt)を押しながらドラッグすれば片方だけ動かせます。
一旦全体ができたら、文字を全て選択して、「コピー」して「⌘(Ctrl)+B」で背面に置きましょう。
そのまますこーし右下に移動して、パスの設定を塗りのみにして色を黒にします。
あっという間に影ができます。
ちょっとこのままだとつまらないので、パターンを使って柄をつけてみましょう。
少し離れたあたりに10mm×10mmくらいで正方形を作成して、その中に収まるように柄をかいてみました。
それをこちらのスウォッチパネルにドラッグ&ドロップ!
簡単にパターンの設定ができます。
先ほど作成した文字を全部選択して、別の場所にコピー&ペーストしましょう。
影以外のところを選んで、パスの設定のところの塗りを選択。そのままスウォッチパネルで先ほど作成したパターンをクリックすれば、パターンで塗りつぶすことが出来ます。
このままだと拡大縮小したときに柄がずれてしまいますので、「分割・拡張」を忘れないようにしましょう。

今回の初級編はここまで。
ベジェ曲線はまったく触ったことのない方にはちょっととっつきにくいツールかと思います。
はじめは色んな物をペンツールでなぞって、慣れていくのが一番の近道かと。
ちなみに筆者は様々なフォントをひたすらなぞって練習しました。
次回はもう少しだけ踏み込んだテクニックのお話をしたいと思います。
ありがとうございました!!!

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